開発こぼれ話

お父様の形見を記念の物に作り変える

先日ご依頼いただいた壁飾りと写真立てをご紹介します。

弊社は、元々は銅の装飾用建材を製造していまして、
その技術を活かし現在は、銅の抗菌効果を活かした銅製品の製造をしています。

そんな弊社に、個人のお客様からお問合せがありました。

お父様の大切な形見であるお店の名前が刻まれた古い大きなお鍋の囲い。
そのまま保管しているが、この囲いを利用し、
何か記念になるものに加工できないかというご相談でした。
直径50㎝はある大きな銅の囲い。
歴史の重みのある唯一無二の銅の囲いを加工できるところは少なく、
弊社にお問い合わせをいただきました。

お父様のお店は大正時代に創業された老舗のおでん屋さん「乃んき」。
宇都宮市内にあり、弊社の先代の社長も訪れたことがあるおでん屋さん。
常連さんも多く、お店に入りきれないほどお客様が訪れることもあり、いつも賑わっていたそうです。

お店のシンボルでもあるおでん鍋の囲いは、今は製造しているところがなく、
創業当時のものを修理しながら大切に使い続けていたものです。
その大切な形見の一部を利用し、お父様をいつも身近に感じられるよう、
壁飾りと写真立てに作り変えることをご提案させていただきました。

あの大きなおでん鍋の囲いからできたのはこちら。

お店の名前部分の壁飾りです。

大正時代から続いたお店のシンボルでもあるお鍋の囲いなので、
その風合いを残せるよう、木製のベースや紐も落ち着いたカラーを選定いたしました。
銅の経年美化を活かすため、あえて磨き加工を施していません。
磨くことができないので、傷をつけないよう慎重に作業いたしました。

続いて、写真立てです。

アクリル板が2枚重なっているので、ネジをゆるめて、
その間に写真を挟めるようになっています。
写真立ても銅の表情をそのまま、当時の質感を残しています。
写真を飾った時も銅の部分を見えるように、アクリル板との距離を取り、
また、自立できるようにもいたしました。

断面はこちら。

丸みがあるため、微調整を繰り返しながらアクリル板の高さを合わせました。
フチに入っていた真鍮と合わせ、ポストも真鍮を選びました。

今回は特別注文のため、一つ一つ手作業での製作となり
弊社の金属加工職人も失敗が許されないご依頼で
とても緊張したと話していました。

ご依頼主様からは「大感激しました」との感想をいただき、
私たちもホッといたしました。

今回、お父様の形見を何か別の形にできないかというお問合せを受け、
詳しくお話を聞かせていただき、
ご家族のとても素敵な思いに私も感動いたしました。
ぜひお力になりたいと思い、職人たちと打合せを重ね、
このような形となり、ご依頼主様に喜んでいただけたことが、
私自身もとても嬉しく思っています。