2021年9月8日
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「開発こぼれ話」はその名の通り、佐野機工のものづくりに対する取り組みや
開発の様子など、製品ページだけでは伝えきれないウラ話をご紹介してまいります!
本日は佐野機工の技術の原点である「銅製建材」についてのお話です。
最近は銅の価格高騰もあり、銅が住宅の建材として使われる機会は減っていますが、
美観や強度はもちろん、現場での加工性にも優れることから、根強い人気があります。
佐野機工はそんな銅製の建材を創業初期から製造し、50年。
銅バスケットや、銅トラップ製造のベースになった技術でもあります。
こちらは銅の「集水器」です。
大きさの対比でペンを横に置いてみましたが、銅板でこのサイズの造作物は珍しいのではないでしょうか。
集水器とは、雨どいから流れ込んだ雨水が集まる部位です。
裏から見た集水器。銅板と銅板が複雑に組み合わせられています。
精度が必要なため、製造に技術を要します。
もう一点、同じく銅製の雨どいです。
この継ぎ目は板金加工の技術で、「ハゼ折りカシメ」と呼びます。
このように継ぎ目も非常に美しいので、ハイグレードな建築材として重宝されてきました。
ハゼ折りカシメ部分は仕上がりが美しいだけでなく補強の効果もあるため、建材のような「軽さ」と「強さ」の両立を求められる際にぴったりですね。
ハゼ折りには沢山の種類がありますが、一例をご紹介するとこのような断面になっています。
接着剤を使用せず、折り合わせによって板と板を接合します。
特に銅の場合は水と反応し、表面に薄く強固な被膜を形成する性質があるため、
ハゼ折り部にほんの僅かな雨水が染み込む事で被膜が形成され、接合がより強くなります。
さらに接合が強くなる事で、止水性が上がる効果もあります。
使い始めてからより強くなる・・・銅の良さが活きた技術ですね。
排水口のヌメリ防止でご好評頂いております、銅トラップにもカシメ加工がされています。
写真のように表から目立ちにくい継ぎ目ですが、
裏から見るとハゼ折りカシメ加工特有の折り目が分かりやすいですね。
銅トラップのこの継ぎ目も、単なる継ぎ目ではなく、変形しやすい筒形状を骨の様に補強しています。
(銅トラップの筒部分は、端部を丸くカールさせることにより、さらに補強を施しています)
接着剤を使用せず金属板をつなぎ合わせる方法には、ハゼ折りカシメ以外にも様々な方法があります。
身近な製品にも用いられている技術ですので、ぜひ探してみてください。
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