2022年5月20日作成/2023年11月8日更新
佐野機工の公式サイトをご覧いただきありがとうございます。
こちらの「開発こぼれ話」では、佐野機工のものづくりに対する取り組みや開発の様子など、製品ページだけでは伝えきれない制作秘話をご紹介していきます。
今回は佐野機工でも開発・製造から販売まで行っている防犯グッズの「さすまた」について、深掘りしてお話したいと思います。
佐野機工の公式サイトへお越しいただくお客さまの中でも、さすまた関連製品ページは特に多く閲覧いただいている印象です。それだけ多くの方が施設の防犯対策にお困りなのだと思います。
この記事では施設へ防犯製品の導入を検討されている方はもちろん、既にさすまたをお持ちの方や使用に不安がある方など皆さまにお読みいただきたい内容をまとめました。
1. そもそも「さすまた」とは?
2. さすまた、使いこなせますか?
3. 万が一の不審者対応のために、施設が準備できることは?
4. 最適な防犯製品は、使用環境によって異なります
佐野機工オリジナルさすまた
昨今多発している凶悪な事件。
福祉施設・幼児保育施設への不審者侵入など、現場の職員の方々や施設利用者をどのように守るかは喫緊の課題で、施設危機管理担当の方からお悩みの声を多くいただいています。
そんななか、防犯カメラ等の設置と併せて検討されるのがさすまたの導入です。
Amazonなどのインターネット通販でも比較的手軽に入手できるため、身近な防犯グッズですよね。
そもそも「さすまた」とは?
学校や保育園、福祉施設、商業施設など、各種公共施設で最も身近な防犯製品といえば「さすまた」が思い浮かぶのではないでしょうか。
刺又・刺股・刺叉など書き方はさまざまですが、全てU字型の先端金具と柄を持った防犯器具のことを指します。
先端で不審者を押さえて、自由を奪うように設計されています。
取り回しがよく繰り返し使えることから、現在も警察をはじめ民間の警備会社等でも主力の防犯製品として採用されています。
海外においても似た役割の防犯製品が普及していますが、元々は日本特有の防犯製品です。
制止力に欠ける反面、過剰に相手を傷つけないという日本独自の防犯への考え方が反映されていますね。
過剰に相手を傷つけないからこそ、これだけ民間施設に普及したともいえます。
さすまた、使いこなせますか?
私たち佐野機工では「ケルベロス」「不動(ふどう)」「弁慶(べんけい)」をはじめとする複数製品を、栃木県警察からの依頼を受けて開発・製造してきました。
そんな経緯もあり一般の各種施設の危機管理担当の方からご相談をいただくことも多いのですが、「(技術面や設置本数など数量面を含め)さすまたの使い方に不安がある」というお悩みをお持ちの方が非常に多いです。
おっしゃる通り、不審者対応のプロである警察の現場でも、さすまたは複数用意し大人数で不審者を押さえこむのが大前提で、少ない人数で凶悪な不審者と対峙することは想定されていません。
さすまたは
● コンパクトで省スペース
● 比較的安価で入手しやすい
● 丈夫で繰り返し使える
● 相手を傷つけるおそれが少ないため、訓練を実施しやすい
など、防犯製品として優れた面がたくさんあります。
特性をふまえたうえで配備すれば、頼もしい防犯製品です。
ただし、その一方で弱点や短所も持ち合わせています。
使いかたが難しく、腕力や技術が必要
子どもに関わる施設や病院・福祉施設などは女性の職員の方も多く、従来のさすまたは不向きです。
たとえ不審者を捕らえたとしても、抑え込み続けなければならないため使用者が危険にさらされます。
さすまたは不審者側から力が込められやすい形状のため、先端を握られて振り回される可能性が高いです。
自立できないため、使用が想定される場所に常設することが難しい
取り出しにくい場所にしまわれている…といった状況も多いようです。
定位置が決まっておらず物置等にしまわれているケースも。
一刻を争う事態に、取り出しに手間取ってしまうのは非常に危険です。
設置場所は定期的に見直すことをおすすめします。
「1本だけ」では、非常に危険
また、施設規模を問わずさすまたを「1本」しか導入していないケースもご相談をいただきますが、不審者対応において1対1は厳禁です。
さすまたに限らず防犯製品は複数用意し、できるだけ沢山の方が使いこなせるように繰り返し訓練していただくことを推奨します。
臨場感あふれるこちらの写真は佐野機工の防犯製品を使用した社内防犯訓練の様子です。
使用者3名それぞれが「腕」「胴」「脚」を抑え込んでいます。
万が一の不審者対応のために、施設が準備できることは?
万が一不審者が施設に侵入してきた場合、何より優先すべきことは「とにかく安全に逃げ切ること」です。
施設からご相談をいただいた際には、まず安全に逃げることを優先したシミュレーションを行っていただくようご案内しています。不審者が侵入した場合に備えて、避難経路や手順を繰り返し見直し、全員で共有いただくことが大切だと考えます。
実際にあった施設への不審者侵入ニュースを取り上げ「自分たちの施設ならばどう対応するか」をディスカッションしていただくのも効果的だと思います。定期的に防犯対策についてお話しいただく機会を設け、防犯意識を高めていただくことが最も手軽で重要なポイントです。
施設に防犯訓練実施ステッカーを掲示したり、ホームページなどで防犯に対する取り組みをPRしていただくことも大きな抑止力になります。(佐野機工では製品をご購入いただいたお客様向けに、防犯ステッカーのご注文も承っております。)
さすまたなど防犯製品を準備し、万が一の事態に備えることは危機管理上重要なことですが、実際に使用するのは最終手段です。
佐野機工の防犯製品は戦うための武器ではありません。
通報から警察が到着するまでの数分間、できるだけ安全に避難できる状況を確保するための手段です。
最適な防犯製品は、使用環境によって異なります
その上で、万が一不審者と対峙しなければならなくなった場合を想定し、さすまたなど防犯製品を配備し、訓練を行うことは平時にできる取り組みとして非常に大切です。
佐野機工では警察からの依頼を受けて開発された従来のさすまたの弱点を改善した新型の防犯製品を開発・製造から販売まで行っています。
また、警察庁が行うコンクールにて最高賞の「警察庁長官賞」を受賞し、実際に警察・各所官公庁でもご活用いただいております。それらの製品のなかから、職員の皆さまの構成や使用環境をお聞きしたうえで、使いこなしやすい防犯製品をご提案させていただきます。
例えば、さすまたは壁を利用して不審者を押さえ込むことに適していますので、広いエントランスなど近くに壁がないスペースで使用するには不向きです。さらに広いスペースだからこそ、離れた距離から対処できる製品が適しています。佐野機工のラインナップでは「ケルベロス」が、離れた距離から不審者を拘束できる防犯製品になります。
また、日ごろ防犯訓練を行っていない一般の方では、腕力で不審者を倒すことは実質不可能。
不審者の体勢を崩す事に特化した防犯製品を使い、体勢の崩れた不審者を大勢で抑え込むなど、腕力以外で不審者の自由を奪う方法も併せて検討する必要があります。
佐野機工のラインナップではは「不動」が不審者の体勢を崩すことに特化しています。
このように、環境によって適した防犯製品は変わります。佐野機工は独自の防犯製品も含めてご案内をさせていただきます。
・女性が多いなどの理由で軽さを重視する
・受付に設置するなど、スペースが限られている
・施設規模に応じて、どのくらいの防犯製品が必要か(数量や予算)
など、状況をお聞かせいただければ幸いです。
※ご予算・施設規模などご状況に応じて本数の組み合わせも提案させていただきます。
お気軽にご相談ください
佐野機工ではお客様の状況をお聞きしたうえで、製品をご提案させていただきます。
繰り返しの営業などは行いません。お気軽にご相談ください。
また、製品の特性上アフターフォローが重要だと考えております。
ご購入後はオンラインを中心に、使用方法のレクチャーなどの実施もご相談可能ですのでご活用ください。
お問い合わせについてのお願い
おかげさまで大変多くのお問い合わせをいただいています。
製品の安全特性上、下記にご留意いただきお問い合わせくださいますと幸いです。
・法人のお客様のみに販売させていただきます。
・法人名、担当者名などをお聞きしてからご案内させていただきます。
・価格についてのご案内は原則正式なお見積り依頼を承ってからとさせていただきます。
現在、お電話でのお問い合わせはご案内が遅くなる場合がございます。
上記ページのメールフォームからのお問い合わせにご協力くださいますようお願いいたします。
関連製品
製品ページでは、実際の製品の動画をご覧いただけます。
《警察庁長官賞受賞》瞬間的に不審者を拘束し離れることができる
《警察庁長官賞受賞》脚を拘束して不審者の起き上がりを抑止
《警察庁長官賞受賞》軽量で力負けしにくい新型さすまた